2010年6月11日 中日新聞紙面から(木村尚公)
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201006/CK2010061102000041.html
◆中日7-2楽天
チェンが「無敵(むてき)」の状態を取(と)り戻(もど)した。最速(さいそく)153キロをマークした剛球(ごうきゅう)は谷繁のミットを激(はげ)しくたたき、相手打者のバットをへし折(お)った。
マーク:記録を達成すること; ミット:捕手・一塁手の手袋(てぶくろ)
激しい:激烈的。 たたく:beat, knock
へし折る:break off
6イニングを被安打(ひあんだ)3。堂々(どうどう)の無失点ピッチングで4勝目を手に入れた。「真(ま)っすぐは今シーズンで一番よかった」。チェンは笑顔(えがお)で自画自賛(じがじさん)した。
堂々(どうどう):自信があること 真っすぐ:ストライト
自画自賛(じがじさん):self-praise
ピンチで「一番」の直球が投げられた。この試合前まで「走者(そうしゃ)あり」での被打率(ひだりつ)は2割(わり)8分(ぷん)。「なし」の2割(わり)1分(ぷん)3厘(りん)を大きく上回(うわまわ)っていた。セットポジションになると球速(きゅうそく)が落ちるのが課題(かだい)だったが、そんな弱点(じゃくてん)をきれいに解消(かいしょう )した。
上回る:exceed; be better ((than)); surpass;
セットポジション:set position;投球前(とうきゅうまえ)に制止(せいし)する姿勢(しせい)
直球(ちょっきゅう)の最速(さいそく)はセットポジションでも最速150キロに達(たっ)した。球速は無走者(むそうしゃ)のときとほとんど変わらず、得点圏(とくてんけん)に3度走者を背負(せお)っても力勝負(ちからしょうぶ)で乗り切った。「セットでもテンポよく投げられたのがよかった」と手応(てごた)えが十分(じゅっぶん)に残(のこ)った。
達する:ある数量(すうりょう)になる。 力勝負:用力量決勝負
乗り切る: 安然度過。 テンポ:tempo
手応え:打ったり突(つ)いたりした時などに手にかえってくる感じ,這裡有成就感的意思
残る:留下、持續。消えないでいる;後まで続く(linger)
励(はげ)みになる出来事(できこと)もあった。登板(とうばん)前日(ぜんじつ)の9日、同じ台湾出身で来日(らいにち)1年目の黄志龍(巨人)が上々(じょうじょう)のデビューを飾(かざ)った。チェンより3歳年下の投手。オフにチェンが帰国した際(さい)には、日本の野球についていろいろと相談に乗った間柄(あいだがら)だ。
励み:激励(げきれい)
励(はげ)みになる出来事もあった:也有件激勵自己的事。
上々:excellent 飾る:事態(じたい)をすばらしく見せる
オフ:off 間柄:関係
チェンは「アイツは身長(しんちょう)が低い(177センチ)。だからアメリカだとちょっときついかもしれない。日本だと技術でカバーできる。日本は先輩後輩(せんぱいこうはい)の上下関係(じょうげかんけい)が厳しいという話もしました」
きつい:厳しい
カバー:cover;不備(ふび)・不足(ふそく)などを補(おぎな)うこと
黄は初登板(はつとうばん)のプレッシャーの中で2失点(しってん)とまずまずの好投。「向(む)こうを意識(いしき)しすぎると駄目になりますから」とチェンは笑うが、日本で実績(じっせき)のある先輩として負(ま)けるわけにはいかないだろう。
プレッシャー:pressure;圧力(あつりょく)。
向(む)こう:相手
3連敗中(れんぱいちゅう)の悪いムードを一掃(そう)する快投劇(かいとうげき)。「こういうピッチングを続けていきたい」とチェン。本来の剛速球(ごうそっきゅう)がよみがえった左腕(さわん)エースが、白星(しろぼし)量産(りょうさん)へ走(はし)り出(だ)す。
ムード:mood;気分。
快投:投手が胸(むね)のすくような投球ぶりで相手打者を抑(おさ)えること
よみがえる:come back to life;生き返る;元気を取(と)り戻(もど)す
走(はし)り出(だ)す:開跑、啟動。